ジョニー・デップとアンバー・ハードの破局がなぜこんなにも早く物議を醸すことになったのか?
そして、デップのハードに対する長らく延期されていた名誉毀損裁判が始まる中で、状況はどうなっているのか?
アンバー・ハードのジョニー・デップとの2016年の離婚をめぐる出来事は、ほんの数日で複雑なものから驚くべきものへとエスカレートした。一般的な離婚届の提出から始まったこの出来事は、15ヶ月の結婚生活を通して夫から虐待を受けていたとハードが裁判書類で主張したことから、衝撃的な見出しへと変わった。それ以来、2人は名誉毀損裁判を経て、互いに多くの訴訟を起こし、現在は2度目の裁判に突入している。
この深刻な事態について知っておくべきことは次のとおりです。
2016
5月25日:離婚申請のニュースが流れる
2016年5月23日、アンバー・ハードが和解しがたい不和を理由にジョニー・デップとの離婚を申請。離婚申請書の中で、当時30歳だったハードは、当時52歳だったデップに配偶者扶養を求める。
ハードの申請から数時間後、デップは映画「アリス・スルー・ザ・ルッキング・グラス(日本版タイトル:アリス・イン・ワンダーランド)」のロサンゼルス・プレミアに出席。プレミアの関係者は、「彼が離婚を要求されているなどとは想像もしなかった。」と語った。
ハリウッド映画で最も出演料の高い俳優の一人であるジョニー・デップは、5月25日に弁護士のローラ・ワッサーによって提出された回答書を通じて、裁判官に対し、アンバー・ハードの配偶者扶養費の要求を拒否するよう求めた。また、デップの母ベティ・スー・パーマーが5月20日に死去したことも明らかになった。
5月26日:夫妻に近い情報筋が証言、2人の険悪な関係の詳細が明らかに
アンバー・ハードに近い情報筋は、数ヶ月の争いの後、彼女が「自分自身を大切にするためにすべきことをした。」と語っている。一方、ジョニー・デップは代理人を通じて、離婚についてこう語っている。
「この結婚生活の短さと、母親を亡くした直近の悲劇的な状況を考慮し、ジョニーは彼の私生活に関する卑猥なデマ、ゴシップ、誤報、嘘には一切応じません。この短い結婚生活の解消が早く解決することを願っています。」と、彼の代理人は声明で語っている。
5月27日:アンバー・ハードがジョニー・デップから虐待を受けたと主張し、接近禁止命令を得るために裁判へ
アンバー・ハードが爆弾発言をした。彼女はジョニー・デップに対して一時的なDV禁止命令を申請し、認められた。
裁判所に提出した書類の中で、彼女はデップが4年間の交際期間中、彼女に対して暴言や身体的虐待を加え、彼は薬物乱用の問題を抱えていると主張した。最新の事件は5月21日で、デップは彼女と口論になり、携帯電話で彼女の目を殴ったと彼女は述べている。彼女は証拠として、彼女の顔にあざがあるように見える写真と、2人のアパートから持ち出された破損した物品の写真を提出した。
「ジョニーには薬物とアルコールの乱用歴があり、公私ともに広く知られています。彼は短気です。彼はしばしば被害妄想的で、彼の気性は私にとって非常に恐ろしいものです。」と彼女は述べている。
法廷では、ハードの右目にあざが見えた。裁判官は、デップが彼女から100ヤード離れた場所にいることを要求する一時的な接近禁止命令を彼女に下し、ロサンゼルスのダウンタウンのアパートを彼女に単独使用させたが、彼女に対する一時的な配偶者扶養の命令や、デップが彼女の愛犬ピストルに近づかないように要求することは拒否した。
ジョニー・デップが法廷で反論
ジョニー・デップの離婚弁護士ワッサーは、アンバー・ハードの家庭内虐待の主張は金銭的な動機によるものだと述べた。
「アンバーは虐待を主張することで、時期尚早の経済的解決を図ろうとしています。彼女の現在の一時的接近禁止命令の申請は、経済的な要求とともに、離婚を申請した後、今週初めに彼女が受けた否定的なメディアの注目に対するものです。しかし、ジョニーは自分自身やアンバーをメディアの詮索から守ることはできないし、アンバーの怒りによるこの離婚手続きを後押しすることもできない。」とワッサー弁護士は語った。
雑誌の取材に応じたロス市警の広報担当者は、5月21日の911通報後の事件を捜査したところ、「犯罪の証拠は何もなかった。 」と述べた。警察によると、ハードは被害届を提出することを拒否し、デップはすでにアパートを出ていたとのこと。
アンバー・ハードに近い情報筋によると、彼女は当時、震えすぎて被害届を出すことができなかったと語っている。また、その関係者はデップはハードが接近禁止命令を申請する計画を知っており、そうしないよう彼女に金銭を提供したと主張している。
ジョニー・デップはバンドツアーを続け、ポルトガルでチャリティに出演
アンバー・ハードがロサンゼルスで法廷に立つ日、ジョニー・デップはポルトガルで自身のバンド、ハリウッド・ヴァンパイアーズの演奏とチャリティ出演をしている。
金曜日にポルトガルのリスボンで行われるロック・イン・リオ・フェスティバルのパフォーマンスの数時間前、デップと彼のバンドメンバーであるアリス・クーパー、ロバート・デレオ、ブルース・ウィキンは、スターキー聴覚財団を支援するために補聴器を装着し、調整しているところを写真に撮られている。
コンサートの観客は、デップはバンドのパフォーマンス中「とても元気だった。」と関係者に語っている。「ジョニーは本当に元気だった。彼は本当に良いライブをした。その週の出来事はまったく関係ないようだったよ。」と、ライブに来ていたウェンディ・ホランドは関係者に語っている。
ジョニー・デップの娘リリー・ローズがソーシャルメディアで父親を擁護
当時17歳のジョニー・デップの娘は5月29日、インスタグラムで父親への家庭内虐待疑惑について次のように発言した。「私の父は、私が知っている中で最も優しくて愛情深い人で、弟と私にとって素晴らしい父親以外の何者でもありません。」
リリー・ローズの母親であり、ジョニー・デップの14年来のパートナーであるヴァネッサ・パラディは、手書きの手紙を書き、「繊細で、愛情深く、愛される人 」と元彼を擁護したと報じられている。ちなみに、パラディとデップには14歳の息子ジャックもいる。
アンバー・ハードの弁護士が虐待疑惑を警察に話さなかった理由を説明
声明の中で、アンバー・ハードの弁護士は、彼女が5月21日に911通報で駆けつけた警察に虐待疑惑を報告しなかったのは、「彼女のプライバシーとジョニーのキャリアを守るため 。」だと述べた。
「アンバーがロス市警への最初の供述を拒否した結果、彼女の沈黙はジョニーの弁護団によって不利に利用されました。アンバーは、自分のプライバシーとジョニーのキャリアを守るために、ロス市警に供述書を提出しませんでした。」と、ハードの弁護士サマンサ・F・スペクターと共同弁護人ジョセフ・P・ケーニグは声明で述べた。
続けて以下のように述べた。
「ロサンゼルス市警の警官が第三者による911通報に対応したにもかかわらず、当初からこの件をできるだけ内密にしたいというのがアンバーの希望でした。ロサンゼルス市警の警官たちは、ジョニーがアパートで起こした混乱だけでなく、アンバーの顔に肉体的な傷を負わせているのを目撃しました。私たちは5月23日(月)の終わりに婚姻解消の嘆願書を提出し、その晩の「アリス・スルー・ザ・ルッキング・グラス」のプレミアではジョニーに嘆願書を提出しませんでした。翌朝、ジョニーの弁護団に書簡を送り、この件をメディアに取り上げないようにしたいとはっきり伝えました。そして、ジョニーが国外にいることを知っていたため、DV(家庭内暴力)禁止命令の要請を保留したのです。」
スペクターとケーニグは、アンバーの接近禁止命令は “本当の事実として記録を正す “試みであったと続けた。
そして、「アンバーは供述によって、ロス市警にあの夜とそれ以前の出来事について正確で完全な捜査を行う機会を与えたいと考えている。もしそうなり、真実が明らかになれば、アンバーの主張が疑いなく立証され、ジョニーが真実を語ってくれる願っています。」と彼らは声明で述べた。
ロサンゼルス市警の広報担当者は以前、5月21日の現場に警官が駆けつけた際、「犯罪の証拠は何もなかった。」と関係者に語っていた。雑誌の記者が火曜日にスペクターとケーニグの声明に回答するために連絡を取った際、当局はその声明を繰り返した。
2017
ジョニー・デップとアンバー・ハードが離婚成立
2016年8月に700万ドルの示談成立後(その和解金をハードはACLUに寄付した)、元夫妻は2017年1月に離婚を成立させた。
ACLUとは?
アメリカ自由人権協会(アメリカじゆうじんけんきょうかい、英: American Civil Liberties Union, ACLU、直訳で「アメリカ市民自由連合」)は、主に米国権利章典で保証されている言論の自由を守ることを目的とした、アメリカ合衆国のNGO団体。1920年設立。2005年度の会員数は約500,000人。政府などにより言論の自由が侵害されている個人や団体に弁護士や法律の専門家によるサポートを提供している。これまでにACLUが起こしてきた言論の自由の諸問題を巡る数々の訴訟は合衆国における法律の発展に多大な影響を及ぼしてきた。公式にはどの政党も支持しておらず、その自由を擁護するスタンスにより、時には保守、時にはリベラル陣営の人々と激しく対立してきた。法廷闘争以外ではACLUの立場を支持する政治家へのロビー活動も行っている。ACLUの立場を支持する政治家は、保守、リベラルを問わず存在する。
「ウィキペディア(Wikipedia)」より引用
「素晴らしい日です。アンバーが望んでいたのは離婚であり、今彼女はそれを手に入れた。ジェラルド・フォードの言葉を借りれば、”我々の長い悪夢は終わった”」と、当時、ハードの弁護士ピアース・オドネルは関係者に語った。
裁判官は、手続きを遅らせたとされるハードに対して10万ドルの制裁金を課すというデップの要求を却下した。
裁判書類によると、デップはハードの弁護士費用として50万ドルを支払うよう命じられた。
2019
ジョニー・デップが訴訟を起こす
ジョニー・デップは2019年3月、彼女が2018年にワシントン・ポスト紙に寄稿した論説で、DVからの生還について書いたが、具体的にジョニー・デップに言及したことはなかったとして、損害賠償を求め、アンバー・ハードに対して5000万ドルの訴訟を起こす。この訴訟は新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、最終的に数回延期された。
2020
ジョニー・デップ、英国での名誉毀損訴訟で敗訴
2020年11月、ジョニー・デップはイギリスのタブロイド紙「ザ・サン」に対し、デップを「妻を殴る者」と呼んだことを受けて名誉毀損訴訟を起こしたが、敗訴した。裁判所は同誌の主張を「実質的な真実」として支持し、アンバー・ハードはその主張を裏付ける証言をした。ジョニー・デップは判決を覆そうとしたが、2021年3月に覆された。
実質的な真実とは?
実質的な真実とは本質的に、陳述の実質、要旨が真実であれば、陳述は虚偽ではないことを意味する。「真実」は名誉毀損に対する絶対的な抗弁である。従って、原告は名誉毀損を証明するために、中傷的な発言が虚偽であるという説得力のある証拠を提出しなければならない。
2022
2人が法廷に戻る
長らく延期されていたジョニー・デップのハードに対する名誉毀損裁判が4月11日(月)、バージニア州フェアファックスで始まった。自宅から裁判の行方を見守りたい人は、オンラインストリーミングやCourt TVで生中継を見ることができる。
この裁判では、アンバー・ハードとジョニー・デップのほかにも、何人かの有名人が事実を証言することになっている。関係者によると、ハード側ではジェームズ・フランコ、エレン・バーキン、イーロン・マスクが証言する予定。ポール・ベタニーはデップのために事実を証言する予定。
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